タバコの基礎知識



タバコによる健康障害

タバコの主なリスク[1]

「タバコは体に害がある」ことは、誰もが知っている事実です。しかし、タバコが及ぼす健康への悪影響について正しい知識をもっている人は、思いのほか少ないようです。まず、タバコの害とはどういうものなのかをきちんと知ることが、禁煙の重要性をしっかり認識し、タバコをやめる決心を強くする第一歩なのです。

3大死因をはじめ多くの病気と密接に関連

タバコというと肺がんとの関連を真っ先に思い浮かべる人が多いと思いますが、タバコは肺がんだけでなく、日本人の3大死因(がん、心臓病、脳卒中)とも密接に関係しています。

WHOの付属機関である「国際がん研究機関」の報告(2004年)によると、喫煙と発がん性に確実な証拠がある部位として、肺、口腔、鼻腔と副鼻腔、喉頭、咽頭、食道、胃、肝臓、膵臓、腎臓、尿路、子宮頸部、骨髄(骨髄性白血病)などがあげられており、喫煙が多くのがんの原因となっていることが改めてわかります。

厚生労働省研究班「多目的コホート研究」(2006年)によると、タバコを吸う人は吸わない人に比べて、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)になるリスクが約3倍も高くなり、しかも、1日の喫煙本数が多いほど発病するリスクが高くなることが明らかにされました。また、タバコを吸うと脳卒中、とくに脳梗塞やくも膜下出血にかかりやすくなることもわかっています。

「多目的コホート研究」とは、厚生労働省研究班が全国の約10万人から健康や生活習慣の情報を得て10年以上追跡調査をし、どのような生活習慣をもつ人が、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などになりやすいかを明らかにするもの。

下の図は、WHOの「タバコ・アトラス」に掲載された、タバコが関係する疾患について示したものです。タバコは実に多くの健康障害を引き起こすことがわかります。なお、図のなかの赤い文字で示したものは、アメリカの公衆衛生長官の報告書「喫煙の健康影響」(2004年)において、確実な証拠があるとされたものです。

タバコによる健康障害

タバコは3大死因(がん、心臓病、脳卒中)と密接に関連する。さらに、慢性の肺の病気、消化性潰瘍、骨粗しょう症、歯周疾患、不妊や月経痛など、多くの健康障害を引き起こす。

タバコの主なリスク[2]

下の図は、厚生労働省研究班「多目的コホート研究」の結果から喫煙と死亡率の関係をみたものです。これにより、タバコを吸う人の死亡率は、タバコを吸ったことがない人に比べると、男性で1.55倍、女性では1.89倍高いことがわかりました。

また、がんによる死亡では男性1.61倍、女性1.83倍、心臓病や脳卒中などの循環器系疾患による死亡では男性1.41倍、女性2.72倍となっています。

この結果をもとに、タバコが原因で死亡する割合、すなわち、タバコを吸っていなければ死亡しなくてもすんだ割合を推計すると、男性で22%、女性で5%となりました。男性に比べて女性の割合が低いのは、女性の喫煙者数が男性よりも少ないからです。

喫煙と死亡率の関係

女性では男性に比べてタバコをやめた人数が少ないため、死亡率が安定していない可能性があります。上の図で、タバコをやめた人の循環器系疾患の死亡率がタバコを吸っている人とほとんど変わらないのは、女性はタバコをやめても効果が出にくいというよりも、数値が安定していないことによるものと考えるほうが妥当と思われます。

タバコは認知症の主要な原因でもある。認知症には脳動脈硬化が原因のものと、アルツハイマー病によるものの2種類があるが、タバコはいずれの認知症のリスクも高める。認知症の予防からも禁煙は重要である。

毎年10万人以上の人の命をうばっている

2000年、わが国ではタバコによるさまざまな病気によって11万4,000人もの人々が亡くなっています。

タバコが原因とされる死亡者数が1965年に2万2,200人であったことを考えると、35年間で約5倍も急増したことになります。

このように、喫煙は最大の病気の原因であり、最大の早死の原因でもあるのです。

タバコを吸っていなければ死亡しなくてすんだ割合を推計すると、男性22%、女性5%にも及ぶ。これまで喫煙率が高かった男性では死亡者の4~5人に1人は喫煙が原因。



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